卒業生インタビュー 【都市科学部での学びをどう活かして働きたいか】
都市社会共生学科
A.Hさん(2024年度卒業) 就職先:株式会社 島津製作所
都市科学部では、幅広い学問分野に触れることができ、多様な視点を吸収できる環境が整っています。授業のなかで他の学生たちと意見交換する機会も多く、立場や視点が変われば物事の受け取りかたも変わることを実感します。その時、互いに相手の思考を深掘りすることで、対立ではなく建設的な議論をする必要があります。このように、多様な価値観を持つ他者と協働して議論を進める姿勢が培われたと感じます。特に、都市社会共生学科では、「共生」をキーワードに、目まぐるしく変化する「都市」を複合的な視点で捉えていきます。授業を通じて自分の意見を表明し、論理的に相手に伝える力が必要となります。
この力は就職後も社内のチームビルディングはもちろん、異なる立場の関係者との関係構築やプロジェクトの推進において役立つと感じています。都市科学部で培った柔軟な思考で多くの⼈と協働し、世界中から必要とされる技術を届け、社会に貢献していきます。
M.Kさん(2020年度卒業) 就職先:デロイトトーマツコンサルティング合同会社
都市科学部では、所属学科に捉われることなく、多様な科⽬を受講したり他学科の学⽣と交流することができ、多⾓的な視野を持つことの必要性を強く実感する場⾯が多くありました。また、何事においても⻑期的な⽬線をもって物事を考えることが⼤切だということを、様々な授業を通して学んできました。さらに、私の所属する都市社会共⽣学科での学びにおいては、既存のシステムへの批判精神や取り残されている⼈々への配慮の重要性を強く感じ、⼈々が分断されている今の社会を変えたいと思うようになりました。内定先のデロイトトーマツコンサルティング合同会社では、多様な業界の⼈々と共にプロジェクトを進めていくことになります。都市科学部で培った柔軟な価値観をもって多様な⼈と協働し、よりよい社会を作れるように努めていきたいです。
Y.Nさん(2020年度卒業) 就職先:東京都庁
私は都市社会共生学科に所属し、人類学・社会学を専攻しました。学科では、南米パラグアイ共和国における国際協力活動や、川崎市の社会教育施設における在日コリアンの方々との交流、生活保護世帯の中学生の学習サポートなど、国内外の様々なフィールドを経験しました。そこで、多様なバックグラウンドを持つ人々と出会い、考え方や生き方などの面で大きな影響を受けました。理論と実践の接合を通して社会を立体的かつ批判的にとらえる視点および姿勢が、4年間で僅かながらも培われたと感じます。
「答えは現場にある」-これは、私の所属するゼミの教授がよく口にする言葉です。私は来春から東京都職員として、都政を担う一員になります。都政に携わるうえで、数字やデータ上での効果といったマクロな視点のみならず、政策を打ち立てることで現場ではどのような影響があるのかなど、人々の営みにも思いを巡らせながら、そして時に現場を経験したり、現場に足を運んだりしながら、働いていきたいと考えています。
K.Kさん(2020年度卒業) 就職先:NTTデータ
私は文理融合の都市科学部の授業を通して、自分の関心が及ぶ範囲を大きく広げることが出来ました。幅広い分野のお客様と関わりのある IT企業ならば私が得た「視野の広さ」を存分に活かせると思い、就職先に選びました。
元々興味のあったジャーナリズムの学びは、ゼミで2度経験した福島第 1原発周辺地域の取材を通して大きく深まりました。コミュニティや都市に関する授業を通しては、ICT技術を活用した「スマートシティ化」に新たに興味を持ちました。建築に関する授業を通しては、元々興味のあった文化財に関しての学びを深めることが出来、デジタル技術を用いた文化財保全に新たに興味を持ちました。さらにアメリカへの 1年間の交換留学を通し、グローバルな視野を育むことができました。
都市科学部で育んだ幅広い視野を活かして、国内最大手のシステムインテグレーターである NTTデータの一員として、グローバルな規模で都市にイノベーションを起こしたいです。
S.Aさん(2020年度卒業) 就職先:千葉県庁(一般行政職)
私は都市科学部での学びのなかで、都市が抱える様々な課題を認識しました。例えば、学科のフィールドワークでは横浜市における外国人の増加による多文化共生実現の難しさや、貧困の問題などを肌で感じることができました。そして、それらの課題に対して、表面的な課題だけでなく、何故そのような課題が生まれるに至ったのかという、背景に目を向けることの重要性を知りました。私は、都市科学部での学びのなかで、多面的に物事を捉える力を養うことができたのではないかと思います。そうした、都市科学部で得た知識や幅広い視点を、今度は地元である千葉県のために反映し、活かしていきたいと考えます。都市での課題にアプローチするという点で、行政の仕事というのは都市科学部で学んだ知識を存分に活かすことができるのではないかと考えます。千葉県が抱える様々な課題に対し、県庁職員として一生懸命取り組んでいきたいです。
M.Sさん(2020年度卒業) 就職先:東京都庁
企業や大学、NPOなど様々な利害関係者の社会的背景を考慮しながら、その調整を行うことで一つのダイナミックな施策を進めていくという都の仕事には、都市科学部での学びが大いに活かせると考えています。具体的には、都市社会共生学科だけでも、社会学、文化人類学、政治、哲学、芸術、映画、国際協力、ジェンダーなど、様々な分野の学びを得ることができました。これに加え、都市科学部では文理の垣根を越え、環境リスクや都市基盤、建築といった分野の知識や考え方を身に付けられる機会が多くありました。このため、一つの問題に対して、多角的な視野から考えてより良い解決策を導く力を、この 4年間で強化できたと考えています。そしてこの力は、関連機関と協力して複雑化する東京都の社会課題を解決する、職員には不可欠な力です。今後は学部で得た力を活かし、暮らしやすく、かつ世界をリードする都の構築に励んでいきます。
R.Uさん(2020年度卒業) 就職先:東京海上日動火災保険株式会社
私は、都市科学部で学んだ幅広い視野を持つことと多様性を認めることを活かして内定先で働きたいと考えています。なぜなら、私が都市科学部での学びを通して人間的に成長できたと感じるのがその 2つだからです。1つ目の幅広い視野を持つことは、都市科学部の学習の中でも文理融合の幅広い授業を受けることを通して身についたことです。特に 2年生の時に専攻していたヨーロッパ建築史の学習では、建築学科の建築史の授業に出席したり、学科のショートビジットプログラムを活用して実際にウィーンへ 2週間の短期留学で実地学習をすることで学習を深めました。2つ目の多様性を認めることは、様々な授業での議論の際に友人や先生からのアドバイスで、「自分の意見がある人々に偏った考えではないか」ということについて常に考える力がつきました。この 2つだけでなく、都市科学部で学んだ多くのことを活かして内定先の企業でも活躍したいです。
建築学科
I.Mさん(2023年度卒業) 進学先:横浜国立大学大学院 都市イノベーション学府 建築都市文化コース
横浜国立大学の建築学科は他大学の建築学科とは違い「都市科学部」という文理両属の特殊な学部に属しており、学科を跨いだ分野の授業を受けることができます。そのため、建築学のみならず建築を包括する「都市」という分野から建築を捉え直すことができ、都市科学部だからこそできる方法で建築を学ぶことができました。
また、3年次の「社会デザイン・フューチャーセッション」の授業では各回様々な分野の実務家の方々から話を聞き、建築学の幅広さや直面する問題をリアルに感じることができました。その中でもインターンとして実際に事業に関わらせて頂いた企業では、人との関わり方など社会に出るにあたって身につけておくべきことをたくさん吸収することができました。
視野を広げて物事を捉えられることはどの分野でも重要な能力と考えます。就職活動やその先社会人になってからも都市科学部で学んだことを活かしていきたいです。
Y.Oさん(2020年度卒業) 進学先:横浜国立大学大学院 都市イノベーション学府 建築都市文化専攻 建築都市文化コース
私は都市科学部第一期生として 2017年に入学しました。この学部の特長的なところは、4つの学科間をまたぐ合同の授業や、他の学科の一部の専門の授業を受けられる制度にあると思っています。例えば、1年次に「都市科学 A・B・C」という授業があります。私は建築学科に在籍していますが、この授業は建築学科のみならず、都市科学部の他の 3つの学科の先生も講義をする「オムニバス形式」の、都市科学部の全学部合同の授業です。私は 1年生の時にこの授業で環境リスク共生学科の話を聞いてとても面白かった記憶があり、今の自分の考え方にも影響していると思っています。建物の設計をする際、建築だけの知識では実際に起こりうる問題に対して考えが及ばない場合が出てくるかもしれません。そういった時に他分野の知識や、そもそもの存在を知っているだけでも考えられることが違ってくると思います。都市科学部で学んできて、社会の様々な分野は実は近い距離でつながり合っているのかもしれないと、より理解できました。私は大学院で建築の歴史について研究する予定ですが、上記のような 4年間かけて得た考えを忘れずにこれからも勉強していきたいです。
都市基盤学科
I.Mさん(2023年度卒業) 就職先:八千代エンジニヤリング株式会社
私は、建設コンサルタントという職種に就職し、河川設計・計画を仕事としています。現在、建設業界では、土木の知識に加え、プラスアルファの知識を持つ人材が求められていると感じており、都市科学部の分野横断的な学習が活かせると考えます。例えば、河川では「流域治水」という、川の周辺の住民や企業が協力して、川全体で氾濫を防ぐという考えが広がっていますが、流域治水に基づく取り組みには、氾濫の危険性が高い場所からの移転等、住民や自治体の利害関係が難しいメニューもあります。そこで、専門の土木以外に、他学科のリスクマネジメントの考え方や、異なる文化を尊重する考え方を元にメニューの進め方を提案できれば、事業スピードを早め、安全な街の早期実現に貢献できると考えます。都市科学部の分野横断的なカリキュラムを経た身として、プラスアルファを業界に持ち込み、土木業界の発展に寄与していきたいです。
S.Hさん(2020年度卒業) 進学先:横浜国立大学大学院 都市イノベーション学府 都市地域 社会専攻 都市地域社会コース
私は横浜国立大学院都市イノベーション学府で現在行っているコンクリートの維持管理に関する研究を続けていきたいと考えています。
都市科学部都市基盤学科ではでは文理融合をテーマに幅広い視点から都市を支えるインフラについて学び、考える機会がたくさんありました。コンクリートだけでも材料レベルでの物理的性質から、社会学的な視点から見た都市におけるコンクリート構造物の街のシンボルとしての役割、それらを長持ちさせるための維持管理に至るまでを今もなお社会の第一線で活躍されている方々から日々更新される最先端の知見や技術を直接学ばせていただきました。
研究においても学部で得た材料の性質やコンクリートの挙動などの工学的な基礎知識をベースに社会的背景や経済面なども含めた多角的な視点から社会のニーズに沿った適切なメンテナンス方法を提案できるよう進めていきたいと思います。
環境リスク共生学科
H.Kさん(2024年度卒業) 就職先:独立行政法人環境再生保全機構
大学の学びを通じて、環境分野を幅広く多面的に捉える力を養いました。
専攻の生態学に加え、エネルギー問題や土壌・大気汚染、災害など文理の枠を超えて自然環境と社会環境の幅広い領域を学びました。また、生態学においても理学や経済、文化、法律といった多様な視点から理解を深めました。
私が就職する独立行政法人環境再生保全機構は、1965年に公害防止事業団として設立され、変化する環境問題に合わせて、民間の環境保全活動の支援、研究開発の推進、石綿被害者の救済など業務を拡大してきました。特に近年は、熱中症対策やネイチャーポジティブ推進、サーキュラーエコノミー構築といった新たな課題にも積極的に取り組んでいます。
これからの仕事では、環境リスク共生学科で養った「環境分野を幅広く多面的に捉える力、そしてリスク共生の考え方」を活かして変化する環境問題に対応し、良好な環境の創出と保全に努めていきたいです。
K.Mさん(2020年度卒業) 進学先:横浜国立大学大学院 環境情報学府 自然環境専攻 生態学プログラム
私は生態学をはじめとする環境に関する分野を専門的に学んできました。野外実習も交えながら、いわゆる文系・理系の枠にとらわれることなく、環境学の幅広い領域を体系的に学びました。都市科学部では、自分の学科の専門科目に加え、他学科の専門科目や学部共通の科目を受講する機会が設けられています。他学科の学生と共に学ぶことで、自分の専門外の学問に関する知識を習得することに加え、物事に対して様々な視点があることを意識するようになりました。また、自分の専門分野に立ち返り、他の学問分野とのかかわりを考えることで、自分の専門分野の理解を深めることに繋がりました。都市科学部での学びを通じて、様々な要素が複雑に絡み合う問題に、多面的な視点を持ってアプローチする能力を養うことが出来たのではないかと考えています。この能力を大学院でも活かし、自然環境と、それに対する人間活動との関連性について、俯瞰的に観察し、関連性を明らかにするような研究をしていきます。また、学部に引き続き、様々な学問について主体的に学び、研究に活用していきたいと思います。